『あーでもない、こーでもない』
様々なキーマップを試行錯誤すること、約3年。
ここをこうしてみたらどうか、このキーはこっちの方が押しやすい、などということを試しに試し、たどり着いたキーマップを紹介したいと思う。
過去の記事で、効率重視のキーマップを紹介したが、たしかにあれは効率が良かった。
ただ、長年使ってみて分かったことは、結局のところシンプルが一番ということだ。
今回紹介するキーマップは、できるだけ Fn キー同時押しを無くし、かつ、標準的なキーマップを採用している。
唯一違うところがあるとすれば、それは日本語キーボードなのに US 配列ということだ。
現在のキーボード
まずは、物理的なキーの配置を紹介する。
見てお分かりの通り、日本語キーボードなのに US 配列となっている。
US 配列にしている理由は一つ。
それは、スクリプトを作る(コードを書く)時に記号の入力が、US 配列の方が都合がいいからだ。
JIS 配列はお世辞にも記号の配列が直感的とは言い難い。
US 配列では、記号の並びは整頓されていて、とても入力がしやすいことに気づく。
角括弧やコロン・セミコロン、シングルクォート・ダブルクォートがシンプルに配置されていて、さらに、マイナス記号・プラス記号が横並びに配置されている。
現在のキーマップ
US 配列に適合するため、キーマップ自体はこのようにマッピングしている。
実際のキー入力自体は、前述の『現在のキーボード』の画像の通りだ。
英語キーボードとして設定しているため、@(アットマーク)は Shift キーと数字の 2 キーで入力するし、P キーの右隣のキーを入力すると [ キーが入力され、さらにその右隣のキーは ] キーが実際には入力される。
Home / End
個人的に Home キーと End キーは、単体キーで必須のためここに配置している。
Page Down / Page Up
Page Down キーはここに配置している。
単体キーとして、Page Up キーも配置したいところだが、物理的にキーが足りなかった。
Page Up キーに関しては Fn キー同時押しになっている。
バッククォート / ~
` キーは上矢印キーの左隣に配置している。
US 配列の場合、このキーが余るからだ。
プリントスクリーン
個人的に プリントスクリーン キーも単体キーとして必須だ。
キーボード左下の角に配置している。
US 配列で「変換」「無変換」を使う
英語キーボードで一番欲しいもの、それは 変換 無変換 キーだ。
英語キーボードを使わずに、日本語キーボードをあえて US 配列にするのには訳がある。
日本語キーボードには物理キーとして 変換 無変換 キーが存在するからだ。
US 配列なのに IME オフ・IME オンの動作を単体キーで実現できるところが、日本語キーボードを US 配列で使う最大のメリットだ。
US 配列で変換・無変換キーを使うための設定
まず、Windows OS の設定でキーボードレイアウトを「英語キーボード」に変更する。
次に、物理キーボードの 変換 無変換 キーをそれぞれ Scroll Lock Pause キーなどに変更する。
キーマップ変更が可能な HHKB を利用している場合、キーマップ変更ツールで以下のように変更する。
キーマップ変更がキーボード単体でできない場合は、フリーソフト「Change Key」などを利用して変更しよう。
次に、キーリマップ設定をすることができる Microsoft 謹製の「PowerToys」というアプリを利用する。
Pause キーを「IME Non-Convert」へ、
Scroll Lock キーを「IME Convert」へ。
これで US 配列でも、変換 無変換 キーが使えるようになった。
(おまけ) AXキーボードドライバを利用する方法
レジストリを操作し、AX キーボードドライバに変更後、フリーソフト「Change Key」などを利用して 変換 無変換 キーを利用できるようにすることも可能だ。
この設定方法のメリットは、PowerToys をインストールせずに済むことだ。
▼ レジストリエディタを起動する
ファイル名を指定して実行 → regedit
▼ 以下のキーに移動
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\i8042prt\Parameters
▼ データの値を以下のように修正
名前 | 種類 | データ |
LayerDriver JPN | REG_SZ | kbdax2.dll |
OverrideKeyboardIdentifier | REG_SZ | AX_105KEY |
OverrideKeyboardSubtype | REG_DWORD | 1 |
レジストリの設定が完了したら、ここで一旦再起動。
次に 変換 無変換 キーに、以下の ScanCode を割り当てる。
無変換 | 005a |
変換 | 005b |
AX キーボードドライバには論理的に 変換 無変換 キーが存在するものの、デフォルト設定のままでは利用できない。そのため ScanCode の割り当てが必要だ。
▼ 窓の杜などから Change Key をダウンロード
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/changekey/
Change Key を「管理者権限」で実行する。
▼ 無変換 → [Scan code]
005a を入力
▼ 変換 → [Scan code]
005b を入力
▼ 最後に「登録」し、PC を再起動。
次に Windows OS の [設定] アプリを起動する。
「時刻と言語」→「言語と地域」→「日本語」のオプション (…) → 言語のオプション →「Microsoft IME」のオプション (…) → キーボードオプション
→「キーとタッチのカスタマイズ」へ進む
「各キー / キーの組み合わせに好みの機能を割り当てます」を「オン」にする。
「無変換キー」を「IME-オフ」、「変換キー」を「IME-オン」に設定する。
これで 変換 無変換 キーが使えるようになり、IMEオフ/オンが割り当たった状態になっているはずだ。
最後に
HHKB ならではの Fn キー同時押し操作を駆使したキーマップを散々試してきましたが、結局のところ単体キーで押せるということが一番快適だと分かりました。
さらに、記号入力を多用する場合、US 配列の方が入力し易いことも分かりました。
このように自由にカスタマイズすることで、よりいっそう快適な PC ライフを送ることができています。