このキーボードは、クラウドファンディング(群衆からの資金集め)で 77,264,292円 を集め大成功した「LIFEBOOK UH Keyboard」の後継機「FMV Mobile Keyboard」(製品版) です。
↓クラファンはこちら
https://greenfunding.jp/lab/projects/4701/activities/21976
数ヶ月使ってみての所感などを書きました。
購入した経緯
毎日持ち歩いているリュックが、荷量のせいで重くなり、肩が凝るようになってしまった。
リュック内には、HHKB という 約540g のコンパクトキーボードも入っている。
『少しでもリュックを軽くしたい』
軽いキーボードを探した。
ただし、軽いキーボードであれば何でもいいというわけではない。
良質なものがいい。
ふと立ち寄ったヨドバシカメラ。
前から気になっていた富士通「FMV Mobole Keyboard」が、そこにはあった。
衝動買いしてしまった。
このキーボードは、職場で使っているノートパソコン「LIFEBOOK」と同等のキーボードだった。
そのため、打鍵感や使用感などは十分に確認済みだった。
キー配列に変なクセがなく、しかも打ちやすい。
レノボの「Thinkpad TrackPoint Keyboard」と同じくらい、またはそれ以上の良い打鍵感だ。
開封直後の所感
- 背面にゴム足がないので滑りやすい
- HHKB Type-S に比べタイプ音が静か
- HHKB に比べアクチュエーションポイント (入力が反応するポイント) が浅く入力が早い
- 一番上の列のキーが、初期状態でメディア機能じゃなくファンクションキーが有効なのは良い
- パームレストはもう少し下側に面積があっても良かった
一日使ってみた感想
今日一日職場で使った。音が静かで打ち心地も良い。見た目もオシャレだ。
Ctrl キーはやっぱり A の左隣がいい。「Change Key」を使って CapsLock を Ctrl に変更した。キーボード本体側で変えられたら最高なんだけど。
このキーボードと「ThinkPad TrackPoint Keyboard II」と迷ったけれど、これにした理由は有線接続ができるから。
タッチパッドの面積は、やはり縦が狭い。単体キーボードとして発売するならどうせなら広くしてほしかった。タッチパッドが有能だとマウスを持ち運ばずに済む。これは大きなメリットだと思う。
クリックボタンもノートPCと同じ大きいクリックボタンの方がいいと思った。なぜ小さくした。
このキーボードには傾斜をつける「チルトスタンド」がない。Apple の「Magic Keyboard」のように裏面は真っ平だ。
少しだけでいいから角度が欲しいと思っていたら、HHKB 用に買ったパームレストのゴム足が余っていたのを思い出した。 付けてみた。
ボタン類
電源ボタンは、キーボード上部中央に配置されている。スイッチ「OFF」で有線接続になり、「ON」で bluethooth 接続への切り替えとなっている。
画像では「1」「2」しか映っていないが、Bluetooth ペアリングは3台まで可能。電源ボタンを ON にすると光り出す。マジで。ちょっと感動。しかも電源スイッチなのにトグル式だから操作も簡単で良い。
左に見えているボタンを押すと、Bluethooth ペアリング「1」「2」「3」を切り替えることができる。
勉強スタイル
理想的な勉強スタイルが完成したかもしれない。
PC は、Surface Pro 8 を使っている。縦置きは技術書を読むのに最適だ。
キーボードを「Surface Pro 純正キーボード」にしない理由は、この縦置きスタイルができないから。
使用ガジェットは、こちらの方々
- ミヨシ タブレットスタンド:miyoshi SST-12/BK
- 富士通キーボード:FMV Mobile Keyboard
- PC:Surface Pro 8
- マウス:Logi Signature M650 L
ミヨシ タブレットスタンドは本当に優秀。
Surface Pro 8 ような大きいタブレットでもしっかり支える。
ふにゃふにゃしていないし、頑丈で安心のタブレットスタンド。
数あるタブレットスタンドの中でもなぜこれが良いかというと、持ち運べるコンパクトさと重さだからだ。
数日間使ってみた感想
数日間、「職場」「自宅」「カフェ」で使ってみた。
リュックが軽く (キーボード重量 約350g) なったので肩が少し楽になった。
キーボード本体が薄いのでリュックに収まりやすい。
おまけだと思っていたけど、LED ライトが夜な夜なキレイに光るのはちょっと嬉しい。
USB-C で通信接続できることは Good。自宅と職場の PC は有線接続で、モバイル PC は Bluetooth で、という風な使い方ができる。
有線接続時は充電もされる。
BackSpace と Enter キーが少し大きくなっていることが打ちやすさに繋がっている。的が大きいと当てやすい。
色をシルバーにしたのは、やっぱり正解。指紋が目立たない。
他モバイルキーボードとの比較
約2万円もするキーボード。本体が軽く、しかも薄い。接続方法も USB-C が充電専用ではなく通信接続ができ、Bluetooth 3台ペアリングができる点も考慮すると、そこそこするのは分からなくもない。
ただ、対抗馬の「MX Keys Mini」や「ThinkPad TrackPoint Keyboard II」の値段を考えると割高感は否めない。
▼ 対抗馬キーボードとの比較
機種 | 有線接続 | Bluetooth 接続 | 2.4GHz 接続 | 重量(約) |
FMV Mobile Keyboard | あり | あり (最大3台) | なし | 350g |
Thinkpad TrackPoint Keyboard II | なし | あり (最大1台) | あり | 516g |
MX Keys mini | なし | あり (最大3台) | あり | 506g |
HHKB Pro HYBRID Type-S | あり | あり (最大3台) | なし | 540g |
FMV Mobile Keyboard が優れている点は、やはり軽いこと。
個人的に、有線接続では充電のみならず通信接続ができることも購入した理由の一つになっている。
打鍵の軽さ (※所持品で比較)
【重い】Thinkpad II > HHKB > FMV Mobile Keyboard【軽い】
FMV Mobile Keyboard は他の2つに比べ軽かった。ソフトタッチで心地が良い。
「Thinkpad TrackPoint Keyboard」は「Thinkpad TrackPoint Keyboard II」になってからさらに重くなっているので、FMV Mobile Keyboard との差は結構ある。
「Thinkpad TrackPoint Keyboard II」の打鍵感は、「固い」という印象。
HHKB は相変わらずスコスコと気持ちの良い打鍵。重さは両者の中間といったところ。
キーストロークの深さ (※所持品で比較)
【深い】HHKB >> Thinkpad II > FMV Mobile Keyboard【浅い】
ストロークの深さは、やはりダントツで HHKB が深い。
次に Thinkpad TrackPoint Keyboard II が深く、少しの差で FMV Mobile Keyboard が深い。
ノートパソコンの薄いキーボードが好きな人でストロークも少しは欲しいという人は、Thinkpad TrackPoint Keyboard II が、浅めのストロークが好きな人は、FMV Mobile Keyboard が良いでしょう。
FMV Mobile Keyboard は、ショートストロークとキータッチの軽さがゆえに、3つのキーボードの中で一番高速にタイピングすることができた。
値段はさておき、少しの不満箇所はあるものの完成度の高いキーボードで今ではすっかりお気に入りのキーボードの一つだ。
現在の足(後日追記)
このキーボードには角度調整のための足がないため、スポンジの足を取り付けていた。
しかし、スポンジだとたわむ。
キー入力の際、たわむのかカッチリしていた方がいいのかは、人の好みによるところもあると思うが、カッチリしていた方が入力しやすいということが、割りばし足によって分かった。
スーパーの割りばしが余っていたので強力な両面テープで装着した。
打ち心地、ものすごく良い。カッチリしている。
他人のキーボード裏面が気になる人はいないと思うので、しばらくこのままでいこうと思う。
後日
割りばし足は失敗だった。
容易に想像がつくだろうが、ものすごく滑る。ツルツル。
キー入力時にツルツル滑る(キーボードが移動する)ということは、こんなにもストレスになるんだと改めて実感した。
しかし、FMV Mobile Keyboard はその軽さがゆえに、他のキーボードに比べ滑りやすい方だと思う。
Keychron の Q シリーズキーボードは、コンパクトキーボードにもかかわらずその重さは約1.6kgもある。
そのキーボードのレビュー動画を拝見していると、その重さも相まって非常に打ち心地が良いそうだ。
FMV Mobile Keyboard は、本体裏面にゴムマットを貼って滑りにくくすればもっと良くなる気がする。ぜひともメーカーで作っていただきたいところだ。
すべり対策
このキーボードの裏面は、ゴムっぽい素材でありながら少しツルツルとした手触りがする素材だ。
そんな素材にも貼れるゴム足を探し購入した。
「3M しっかりつく クッションゴム」
クッションゴムを貼ったところ。
このクッションゴム、キーボード裏の素材に対してもしっかり付く。
少し多めに貼っているのには訳がある。角の4箇所だけに貼ると、キーボード中央部分でたわみやすいからだ。
「軽量な作りがゆえにボディ剛性は少し低い」といったところか。
しっかりつくクッションゴムを貼ったところ、タイピング時に全くズレることがなくなった。
新しいクッションゴム
(数ヶ月後、追記)
ある日、ふとキーボードの裏側をみると、クッションゴムが1つ、外れているのを見つけた。
『もう少し強力なクッションゴムにした方がいいかな』
とはいえ、強力な粘着力のある丁度よいクッションゴムがなかったため、設置面積が大きいクッションゴムを購入した。
以前のものは、
3M しっかりつくクッションゴム 8x2mm 台形 22粒 CS-04
今回のは、
3M しっかりつくクッションゴム 9.5×3.8mm 丸形 CS-02 透明 18粒
径が 9.5mm、高さが 3.8mm だ。
以前のものより、径が 1.5mm、高さが 1.8mm 増えている。
設置面積が大きいから外れにくくなるだろう、という考えだ。
しかも、高さも高くなったので、タイピングがしやすくなった。
これで、しばらく様子をみたいと思う。
総評
良かった点
- 本体が軽いので持ち運びが楽
- タイプ音が静か
- 接続方法が豊富(特に有線接続できる点)
- キー配列にクセがなく使いやすい
- Enter BackSpace キーが大きく打ちやすい
- 見た目がオシャレ
- デフォルトで、メディアキーではなくファンクションキーの方が有効
- 変換 無変換 キーが大きく「かな」「英数」切り替えがしやすい
- 矢印 キーが一段下に配置されているので押しやすい
- タッチパッドがあるので、マウスがなくてもマウス操作ができる
良くなかった点
- パームレストの面積が小さく、手のひら全てを覆えていない
- Ctrl + C を押した直後になぜかタッチパッドが一瞬反応しない
- チルト機構(角度調整)がない
- 裏面についているゴムは少し滑る
- タッチパッドの縦の面積は、やっぱり狭い
- HHKBも使用しているため、ストロークの浅いがゆえに物足りなさを感じてくる
- スペースキーが短い。もう少しだけ長い方がいい。
お勧めできるかどうか
キーボードを持ち歩かない方にもお勧めできるが、常に持ち歩いている方にはもっとお勧めできる製品だ。
軽さ加減も良いが、全体的に完成度・質感が高い。
「iPad」や「タブレットPC」など、キーボードがないデイバスを持ち歩いている方には、とても良い製品だと思います。
以下の記事では、タッチパッドの特性について書いています。
気になる方は、こちらの記事も併せて読んでみてください。