NISAを始めてから、約4年が経ちました。
たった4年でもそれなりに資産が増えました。
本当にやっておいて良かった、心からそう思います。
新NISAは非課税・無期限
投資は通常、投資によって得られた利益の約20%が税金としてかかります。
新NISAでは税金がかかりません。
つまり新NISAは「非課税投資制度」です。
これが最大の特徴であり、メリットです。
通常の投資では、例えば以下のように税金が引かれます。
- 100万円を投資したとします。
- 10%の利益が出たとします。
- 通常の投資では利益の10万円に対し、約20%の税金がかかります。
- そのため2万円が税金となり、手元に残るのは108万円となります。
新NISAでは税金がかからないため上記の例では110万円が手元に残ります。
この例でもし、
- 500万円を投資していた場合は 550 万円(通常の投資では 540 万円)が
- 1000万円を投資していた場合は 1100 万円(通常の投資では 1080 万円)が
手元に残ります。
NISAは税金がかからない。
非課税期間も旧NISAに比べ優遇されています。
旧NISAでは非課税期間が「有限」でしたが、新NISAでは「無期限」になりました。
つまり一生涯、利益に対して1円も課税されません。
投資をするつもりなら新NISAを使わないという選択肢はなくなるはずです。
新NISAは一生涯、課税されない。
NISAの由来
NISA は、イギリスの ISA という制度をもとに作られました。
ISA とは「Individual Savings Account」の略で、日本語に直訳すると「個人貯蓄口座」です。
この ISA には国民に投資を促進するという目的があるため、税制の優遇措置がとられています。
ISA は個人貯蓄口座のことを指しますが、その制度自体のことも指しています。
この ISA の頭に Nippon を付け加えたのが「NISA」です。
つまり NISA は「日本版ISA」のことで、税制の優遇措置がとられた「個人貯蓄口座」もしくは、その制度自体のことを指します。
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」
新NISAには、2つの投資枠があります。
1つは「つみたて投資枠」、もう1つは「成長投資枠」です。
それぞれ次のような特徴があります。
つみたて投資枠
毎月少額をコツコツつみたてる投資枠
つみたて投資枠の毎月の投資限度額は、最大10万円。
年間だと最大120万円まで投資が可能。
生涯だと最大1800万円まで投資が可能。
ただし「成長投資枠」にも投資している場合は、1800万円から成長投資枠の投資額を引いた額が「つみたて投資枠」の生涯投資限度額になります。
たとえば「成長投資枠」に500万円投資していた場合は、「つみたて投資枠」の生涯投資限度額は、1300万円になります。
「つみたて投資枠」の投資対象商品は、金融庁が厳選したリスクの少ない投資信託に限定されます。
その銘柄には、例えば「S&P500(米国株式)」や「オールカントリー(全世界株式)」などがあります。
「S&P500」にいたっては、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が奥様に対し「私が死んだら資産の90%をS&P500に投資するよう」指示したことで有名です。
これらの銘柄は購入している人が多く信託報酬(保有額に対する手数料)も非常に低いため、人気商品となっています。
信託報酬は、
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
0.05775% (年)
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
0.09372% (年)
となっており年間0.1%を切っています。
これは、500万円の資産があったとしても、年間で5千円以下の手数料しかかからないことを意味しています。
「つみたて投資枠」の商品には以下のようなものがあります。
- 投資信託(非上場投資信託)
- ETF(上場投資信託)
のみ
つみたて投資枠まとめ
- 毎月、最大で10万円まで投資できる
- 年間、最大で120万円まで投資できる
- 生涯「つみたて投資枠」のみで運用した場合、最大で1800万円まで投資できる
- 「成長投資枠」も併用した場合は「つみたて投資枠」「成長投資枠」の合計額が1800万円まで投資できる
- 投資できる銘柄は「成長投資枠」より少ない
- 投資できる銘柄は比較的リスクが低いものが多い
成長投資枠
大金を好きなタイミングで一括投資できる投資枠
成長投資枠は、年間で最大240万円まで投資可能です。
たとえば、2024年4月に一括で240万円(年間の投資枠限度)を投資したら、2024年の「成長投資枠」ではもうこれ以上投資することができません。
しかし次の年、2025年1月になれば「成長投資枠」に240万円の枠が復活します。
また、売却するとその額分、復活しますが、すぐに復活するわけでなく翌年の1月まで待たなければ復活しません。
「成長投資枠」の生涯投資限度額は最大で1200万円までとなっており、「つみたて投資枠」に比べ、600万円少なくなっています。
毎年、年間投資限度額の240万円を投資したとすれば、最短5年で成長投資枠の生涯投資限度額が埋まります。
注意してほしいのは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の両方に投資する場合は、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の合計額が新NISAの生涯投資限度額である1800万円以下でなければならないという点です。
たとえば「つみたて投資枠」に1000万円投資していた場合は、「成長投資枠」の生涯投資限度額は、800万円になります。
「成長投資枠」で投資できる商品は「つみたて投資枠」に比べ、リスクが高い銘柄にも投資することが可能です。
リスクが高い分、リターンも大きいです。
成長投資枠で買うことができる商品には、以下のようなものがあります。
- 個別株(トヨタ自動車やアップルなど多数)
- 投資信託(非上場投資信託)
- ETF(上場投資信託)
- REIT(不動産投資信託)
など
成長投資枠まとめ
- 大金を好きなタイミングで一括投資できる
- 「成長投資枠」であっても積立投資ができる
- 年間で最大240万円まで投資できる
- 「つみたて投資枠」も併用した場合は「つみたて投資枠」「成長投資枠」の合計額が1800万円まで投資できる
- ただし「成長投資枠」の生涯投資限度額は1200万円
- リスクは上がるがリターンが大きい銘柄にも投資できる
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」どちらを利用すべきか
上述の通り、「つみたて投資枠」で買うことができる商品は次の2種類です。
- 投資信託(非上場投資信託)
- ETF(上場投資信託)
「つみたて投資枠」で買うことができる商品は、金融庁によって選定された比較的リスクの少ないものしかありません。
続いて、「成長投資枠」で買うことができる商品です。
- 個別株(トヨタ自動車やアップルなど多数)
- 投資信託(非上場投資信託)
- ETF(上場投資信託)
- REIT(不動産投資信託)
同じ投資信託でも「成長投資枠」では、「つみたて投資枠」で買うことができない商品を買うことができます。
これが「成長投資枠」を利用するメリットの1つです。
「成長投資枠」で買うことができる商品は、「つみたて投資枠」で買うことができる商品に比べ、一般的に少しリスクが高いとされていますが、その分リターンも少し大きいです。
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」どちらを利用すべきか、それはどのくらいリターンを求めるかによって変わります。
「つみたて投資枠」では高リターンを狙うことは難しいですが、リスクを極力抑えることができます。
年利5%~7%程度で十分満足という方は、「つみたて投資枠」で良いと思います。
続いて「成長投資枠」です。
まず、個別株はリスクが高すぎるので避けたほうが良いです。
無難な方法として、つみたて投資枠では買うことができない投資信託を毎月積立するという方法があります。
「つみたて投資枠」では、「オールカントリー」や「S&P500」が人気ですが、「成長投資枠」ではこれらよりも過去のパフォーマンスで良い商品があります。
少しリスクは増えますが、より良いパフォーマンスを求めてこれらを購入するという選択肢もあります。
NISA投資の心得
基本的に長期投資として考えます。
1年や5年程度では元本割れするリスクが十分にありますが、15年以上続けることで元本割れするリスクがほぼなくなることが過去の調査から分かっています。
一度つみたて設定をした後は、15年以上保有し続けることが最も良い運用方法です。
次に注意点です。
『どのくらい増えたかな』と気になることもあるでしょうが、資産状況を確認してはいけません。
なぜなら、当たり前ですが減っていることもあるからです。
減っていると、とても不安になります。
損を増やしたくないがために『今のうちに売っておこう』と思うようになります。
NISA は長期運用が前提で作られています。
長期運用では、下がる時期があるのが当たり前です。
「投資をしていることを忘れること」が成功の秘訣です。
新NISAの始め方
オンライン証券会社でNISA口座を開設します。
今のところ、以下の2つが2強です。
- 楽天証券
- SBI証券
好きな方で良いでしょう。
どちらでも良い場合は、使いやすいと言われている楽天証券が良いと思います。
NISA口座を開設したら、次は「つみたて投資枠」で銘柄を選び、毎月の積み立て額を設定します。
最大で、月 10 万円まで設定できます。(※つみたて投資枠の場合)
あとは、資産の取り崩しを始める時期まで放置するだけです。
人気の投資信託
「投資信託(インデックスファンド)」一択です。
投資信託は簡単に言えば、株の詰め合わせパックです。
複数株で構成されています。
続いて、インデックスファンドについて。
インデックスとは、指数のことです。
インデックスファンド
インデックスファンドとは市場全体の動きを表す代表的な指数に連動した成果を目指す投資信託です。インデックスとは指標、ファンドとは投資信託のことで、パッシブファンドとも呼ばれます。
https://www.smbc.co.jp/kojin/toushin/gimon/purchase10/
投資信託で人気なものには、以下の2つがあります。
アメリカ株パックの「S&P500(米国株式)」、全世界株パックの「オールカントリー(全世界株式)」です。
「S&P500」ではアメリカの優良企業約500社に、「オールカントリー」では世界の優良企業約3000社の株を少しずつ買い、投資するようなイメージです。
注意点として、オールカントリーは、内訳の約 60% はアメリカ株となっています。
「S&P500」と「オールカントリー」いずれにも、有名なアメリカ企業の Microsoft や Apple、 NVIDIA、Amazon、Google などが含まれています。
もし、何を買ったら良いのか分からない場合は、「つみたて投資枠で買うことができる銘柄」を買っておけば良いでしょう。
比較的リスクが少ない銘柄しかありません。
保有し続けられるものを買いたい
結局なにを買えばいいのかというと、あなた自身が信じ続けられる企業や国を選べば良いです。
世界は発展し続けるんだと思ったならば「全世界株式の投資信託」を、アメリカが発展し続けると思ったなら「米国株式の投資信託」を、日本が発展し続けると思ったなら「日本株式の投資信託」を、インドが発展し続けると思ったなら「インド株式の投資信託」を。
投資をするにあたり、絶対に頭に入れておかないといけないことがあります。
それは経済不況などよる暴落です。
これは必ずどこかで来ます。オイルショックやリーマンショック、コロナショックなどが例です。
その渦中でも持ち続けられる銘柄を買うことをおすすめします。
「暴落が来ても、また絶対に上がる」と信じた銘柄だけを購入するようにしましょう。
NISAをやらないリスクも考える
新NISAは2024年1月に開始されました。
今後、NISA をやる人・やらない人で資産格差が開くと簡単に予想できます。
100万円を「預金」している場合と「投資」している場合とで考えてみましょう。
物価が上がりだしている現在において、たとえば100万円を何もせずそのまま置いておいた場合、10年後それは100万円の価値がない可能性の方が高いです。
投資し100万円を100万円以上に増やしておくことで、ようやく「100万円は100万円としての価値を維持できる」ということです。
まとめ
- NISA とは投資の非課税制度のこと、しかも無期限
- イギリスの ISA をもとに作られた
- 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」がある
- 生涯投資限度額は 1800 万円
- 投資は長期目線(15年以上)で考える
- 成功の秘訣は投資していることを忘れること
- 投資する商品は「投資信託(インデックスファンド)」一択
- このインフレ時代に NISA をやらないリスクも考える
最後に
新NISAは非課税です。
その期間は無期限ですが、この状態がいつまで続くかは分かりません。
十数年後に制度が変わるなんてことも無きにしも非ずです。
もし「投資で稼ぎたい」という気持ちが少しでもあるなら、非課税である NISA を利用しない手はありません。