Windows ではデフォルトで名前解決のための「nslookup」コマンドが利用できますが、このコマンドでは詳細な情報が表示されません。
『もっと詳細な情報がほしい』
そんな時に役立つのが「dig」コマンドです。
この記事では、dig を Windows にインストールする方法と、よく利用する dig コマンドを紹介します。
ダウンロード
▼ 以下の URL にアクセスします。
https://www.isc.org/download/
(リンク先 ISC: Internet Systems Consortium)
▼ 以下のように操作し「BIND 9」をダウンロードします。
- 「BIND 9」をクリック (初期状態で選択済みになっている)
- STATUS が Current-Stable となっているものの中から選びます。
ここでは VERSION 9.16.43 を選び「Download」をクリック

3. BIND9.16.43.x64.zip をクリックしダウンロード

▼ 参考画像

インストール
4. ダウンロードした BIND9.16.43.x64.zip を展開 (解凍)
5. BINDInstall.exe を右クリック → 「管理者として実行」

6. 「詳細情報」をクリック

7. 「実行」をクリック

8. Options 欄で Tools Only のみチェックし「Install」をクリック

9. ライセンス条項および使用条件に同意する にチェックを入れ「インストール」をクリック

▽ 参考
Microsoft Visual C++ の別のバージョンが既にインストールされている場合は、以下のようなエラーメッセージが表示されることがあります。

競合するバージョンをアンインストールすることで、dig インストールに必要な Microsoft Visual C++ 2017 をインストールすることができました。

△ 参考ここまで
▼ Microsoft Visual C++ 2017 Redistributable (x64) インストール完了画面

▼ dig (BIND 9) インストール完了画面

パスを通す
次にコマンドプロンプト利用時に、dig.exe があるフォルダパスを指定しなくても dig コマンドが使えるように「C:\Program Files\ISC BIND 9\bin」へパスを通す設定を行います。
10. Windows キーを押下し、システムの詳細設定の表示 と入力
11. システムの詳細設定の表示をクリック

12. 「環境変数」をクリック

13. システム環境変数またはユーザー環境変数の Path を選択し、「編集」をクリック

14. 「新規」をクリック

15. C:\Program Files\ISC BIND 9\bin を追加し、「OK」

16. 残りのウィンドウもすべて「OK」をクリック
動作確認
最後に、パスが通ったかを確認します。
17. コマンドプロンプトを起動
18. dig -v コマンドを実行

バージョンが表示されていれば成功です。
以上で、Windows で「dig」コマンドが利用できるようになりました。
digコマンドの使い方
まず初めに、コマンドプロントを起動します。
- Windows ロゴ キーを押下し、cmd と入力します。


- コマンドプロンプト をクリック
正引き
dig <FQDN>
dig example.com

ANSWER SECTION の A の右側の IP アドレスを確認します。
正引き(DNSサーバを指定して)
dig <FQDN> @<DNSサーバのホスト名orIPアドレス>
dig example.com @8.8.8.8

ANSWER SECTION の A の右側の IP アドレスと、SERVER の IP アドレスを確認します。
逆引き
dig -x <IPアドレス>
dig -x 192.41.192.145

ANSWER SECTION の PTR の右側の FQDN を確認します。
逆引き(DNSサーバを指定して)
dig -x <IPアドレス> @<DNSサーバのホスト名 or IPアドレス>
dig -x 192.41.192.145 @8.8.8.8

ANSWER SECTION の PTR の右側の FQDN と SERVER の IP アドレスを確認します。
MXレコード
dig <FQDN> mx
dig yahoo.co.jp mx

ANSWER SECTION の MX の右側の FQDN を確認します。
MX と FQDN の間にある数字(10) は、メールサーバーの優先度を表します。少ないメールサーバに優先的にメールが転送されます。
上図では、全て 10 なので優先順位は同位です。
TXTレコード
dig <FQDN> txt
dig yahoo.co.jp txt

ANSWER SECTION の TXT の右側の文字列を確認します。
NSレコード
dig <FQDN> ns
dig yahoo.co.jp ns

ANSWER SECTION の NS の右側の FQDN を確認します。
ドメインのすべての情報を表示
dig <FQDN> any @
<DNSサーバ>
dig yahoo.co.jp any @
8.8.8.8

ANSWER SECTION を確認します。
結果の簡易表示
dig <FQDN> +short
dig
www.example.com +short

「+short」を付けると簡素な表示結果になります。
正引きの場合は、IP アドレスのみが表示されます。
DMARCレコード(DNSサーバを指定して)
dig
_dmarc.
<ドメイン名>
txt
@<DNSサーバ>
dig _dmarc.google.com
@8.8.8.8txt
ANSWER SECTION を確認します。

DMARCレコード(結果を簡易表示にする)
dig _dmarc.<ドメイン名>
@txt
<DNSサーバ>
+short
dig _dmarc.
google.com
@8.8.8.8 +shorttxt

「+short」を付けると、DMARC レコードだけが表示されます。

参考
以下のように、(dig コマンドの後に続く)引数の順番が入れ替わっても OK です
